鉄のフライパンは焦げ付いて使い物にならなくなったように見えても、きちんと焦げや錆を落として磨けば、新品同様に再生させることができます。
焦げ付きが気になる鉄のフライパンの再生方法は下記の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
参考→「焦げ付くようになった鉄のフライパンをリセットして復活させる」
上記の方法で焦げ付く鉄製の卵焼きフライパンを再生させてみたので、その作業の様子を下記にまとめてみました。
Contents
鉄製の玉子焼きフライパン
僕が使用している鉄製の玉子焼きフライパンです。
現状で特に焦げ付いたりするような不具合はいものの、不純物がだいぶこびりついてきた感じがあり、金属ヘラでこすると剥がれた部分から赤錆がのぞくようになっていました。
このままでは見た目もあまり良くないので、ここらで鉄製の玉子焼きフライパンの再生作業を行いたいと考えました。
鉄製の玉子焼きフライパンの側面は焦げ付きが酷くなります。これをそのまま放置すると焦げがどんどん分厚くなって熱伝導も悪くなるため、焼きムラができやすくなるなど使い勝手が悪くなってしまいます。
この問題を解決するためには、定期的にフライパンを再生させてあげると良いというわけです。
鉄製の卵焼きフライパンを再生させる手順
こびりついた不純物を焼き切る
鉄製の卵焼きフライパンを再生させるための最初の作業として、鉄製の卵焼きフライパンにこびり付いてしまった焦げや錆などの不純物を落としやすくするために、これらの不純物を焼き切って炭にする作業を行います。
本当ならば業務用の強力な火力のガスコンロの上で焼き切りたいところですが、一般家庭ではなかなかそのような強力な火力のガスコンロを備えている方も少ないかと思います。もちろん僕も持っていません。
家庭用のコンロでは焼き切りができない
家庭用のガスコンロは業務用のガスコンロに比べて火力が弱いことに加え、そのほとんどが火災防止のために、熱センサーが装備されていて、一定以上の温度になると火力が最小になってしまう仕様になっています。
一応この機能をオフには出来るのですが、それもある程度の時間が経てば再びセンサーが働いてしまうため強制的に火力が落ちてしまうため、鉄製の卵焼きフライパンの不純物を焼き切るまでの火力を得ることができません。
焼き切りにはガスバーナーを使用する
家庭用のガスコンロでは焼き切りができないため、焼き切り作業にはガスバーナーを使用します。ガスバーナーはかなり安く入手できますし予備のボンベも数百円なので非常に経済的で使い勝手が良いです。
ガスバーナーで焼き切り開始
ガスバーナーで丁寧に焼き込んでいきます。しつこいと思える程度に一箇所を集中して焼き込んでいくと、煙が出始めて不純物が燃えるようになります。不純物は燃えることにより炭化します。
最初は「こんなに焼いて良いものかな・・・」と不安になるかもしれませんが、とことん焼いてください。ここでしっかりと不純物を焼き切らないと、後々の作業が大変になってしまうため、しつこいくらいにしっかりと焼き込むことが大切です。
ガスコンロの上などで作業すれば危険ではないと思いますが、一応、火を扱う作業になるので、万が一のことを考えて水場の位置や火が燃え移りやすいものが近くにないかなど、防火対策をした上で作業をするようにしてください。
不純物を削り落とす
鉄製の卵焼きフライパンの不純物の焼き切り作業が終わり熱が取れた後に、焼き切って炭化した不純物を削り落とす作業を行います。
金属ヘラで不純物を削り落とす
鉄製の卵焼きフライパンの不純物を削り落とすために使用するのは金属製のヘラです。お好み焼き用をひっくり返す時に使うヘラです。これを使うと効率的に不純物を削り落とすことができます。
削った炭が散らばるのでベランダなどで作業した方が良いかもしれません。室内で作業する場合は、しっかりと鉄製の卵焼きフライパンを冷ましたあと、新聞紙などを床に広げて削りかすが散乱しないように対策をした方が良いでしょう。
金属ヘラで擦るように削り落とすと炭化した不純物が落ちていきます。もっと分厚い不純物が堆積したような鉄製の卵焼きフライパンの場合は、もっと大きな塊でウロコのように剥がれ落ちたりするので作業的には大変ながらも楽しい部分もあります。
ヤスリ掛けする
鉄製の卵焼きフライパンの表面の不純物を削り落とした後は、残った不純物をさらに落とす為に紙ヤスリで磨いていきます。
ご存知かと思いますが紙ヤスリは目の荒さによって番号が変わります。番号が小さいほど目が荒くなります。紙ヤスリは100-120番程度の少々荒めの紙やすりが使いやすいと思います。
参考として丁寧に作業したい場合は、80番程度の荒めで削って、次に100番程度で磨いて、仕上げに240番程度で磨けば良いかもしれません。
セットになって売っているものでも大丈夫だと思いますが、そこそこ消費してしまうのでA4サイズくらいのもので同じ番号が2〜3枚あると安心です。
紙ヤスリの使い方
紙ヤスリは積み木などの硬いモノで包んでから使用すると使いやすいです。
鉄のフライパンを再生させる作業の中では、最も大変で地道な作業になります。この作業が楽になるか大変になるかは最初の焼き切り作業次第となります。焼き切り作業が中途半端だと非常に大変な思いをすることになります。
クレンザーで磨く
クレンザーと荒めのスポンジを使って鉄製の卵焼きフライパンを磨きます。磨き方は小さな円を描くように丁寧に力強くフライパン全体を磨いていきます。
クレンザーで磨いた後の玉子焼き用の鉄のフライパンです。元から地肌の目の粗いフライパンだったので、ヤスリ掛けをしても落とせない部分がありますが、この程度であれば良しとします。
焼き入れ
磨き終わった鉄製の卵焼きフライパンを再度ガスバーナーで焼き込みます。ガスバーナーで焼き混むことで酸化皮膜なるものが鉄製の卵焼きフライパンの表面にできて、錆び付きや焦げ付きをしづらい鉄のフライパンになります。
理屈的には小さな穴が鉄のフライパンの表面に沢山出来て、そこに油が入り込むことにより、焦げ付きにくくなるというわけです。
丁寧に焼き込んでいくと、鉄製の卵焼きフライパンの色が玉虫色と呼ばれる青みがかった不思議な色に変化します。
鉄製の卵焼きフライパンの厚みにもよりますが、厚みが厚ければ厚いほど熱伝導に時間がかかります。上手く玉虫色に焼き込むコツは一カ所を集中的に焼き込んでいきます。一カ所が焼き込めたら場所を変えてまた焼き込むという作業を繰り返して全体を焼き込んでいきます。
油返し
鉄製の卵焼きフライパンを焼き込んだ後に仕上げの作業として、鉄製の卵焼きフライパンに油を1/3〜2/3程度入れて熱します。そしてしっかりと温まったら油をポットなどに戻します。
この作業を「油返し」と呼び、鉄のフライパンに油を馴染ませる作業になります。油返しが終わればクズ野菜を入れて軽く炒めて油を馴染ませれば鉄製の卵焼きフライパンの再生作業は終了です。
再生作業終了後の鉄製の玉子焼きフライパン
こびり付いていた焦げが取れて、表面はより鉄らしい素材が表れました。
側面や裏面の汚れもとれて、新品同様に綺麗になりました。
プロの現場ではこの作業を定期的に行って、いつでも使いやすい状態に保ったりするようですが、家庭用だと一年に一度くらいの頻度でリセットしてあげるくらいで良いかもしれません。
新品同様になった鉄のフライパンで料理するのは、気持ち良いだけでなく、道具への愛着が沸いて料理する楽しみも深まります。このあたりは使い捨てになってしまうテフロン製のフライパンとの大きな違いですね。
また鉄製のフライパンは料理することで鉄分が自然と摂取できるという利点があります(というか剥がれたテフロンはどこに行っているんだろうと考えると恐ろしくないですか?)し、手入れも慣れればそんなに面倒なものではないので、おすすめです。